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ソダシはアルビノ?白毛馬と芦毛馬との違いや遺伝確率を解説

ソダシはアルビノ?白毛馬と芦毛馬との違いや遺伝確率を解説 スポーツ
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この記事では競走馬ソダシはアルビノ個体なのか、またアルビノと白毛や芦毛の違いについて解説します。

競走馬のソダシ白毛馬(しろげうま)として史上初のG1勝利馬となり大きな話題となりました。

体の白い動物といえばアルビノが連想されますが、ソダシはアルビノなのでしょうか?

また競走馬には同じように白色の毛を持つ芦毛馬(あしげうま)がいますが、白毛馬とはどのような違いがあるのでしょうか?

白毛の遺伝確率白毛と芦毛の見分け方についても解説します。

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ソダシはアルビノなのか?

全身が白色の動物といえばアルビノ個体が連想されます。

アルビノ個体

上の画像では左側に写っているのがアルビノの個体です。

ではソダシはアルビノなのでしょうか?

白毛馬はアルビノではない

結論から書くとソダシはアルビノ個体ではありません

ソダシは競走馬における「白毛馬」に分類されます。

白毛馬はアルビノのように見えますが、性質は大きく違います。

アルビノとは

アルビノとは生まれつきメラニン色素を正常に作ることができない個体のことです。

メラニンは肌や毛、瞳の色を構成する黒色の色素です。

アルビノ個体は皮膚や毛が白く、瞳孔は血管が透けて赤く見えます。

シロヘビなどが有名ですが、ヒトをはじめとしてネズミやウサギ、植物などにも広く見られます。

アルビノは瞳孔が透けて見える

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アルビノと白毛馬の違いは?

アルビノと白毛馬との違いは何なのでしょうか。

アルビノは遺伝的な病気

アルビノは遺伝的な疾患です。突然変異によってメラニンを作る遺伝情報に欠陥があります。

メラニンには紫外線からのダメージを防ぐ働きがあります。

そのためメラニンを作れないアルビノは紫外線による皮膚の損傷や視覚障害のリスクがあり、生存に不利とされています。

白毛馬は正常な遺伝

それに対して白毛馬はメラニン細胞の数自体は少ないのですが、メラニンを作る能力は正常です

白毛馬は「白変種」の一種で、正常な遺伝とされています。

代表的な白変種としてはホワイトライオンやホワイトタイガーが有名です。

ホワイトタイガーなどの白変種はアルビノとは異なる

アルビノ個体の瞳孔は透けて赤色に見えますが、白変種はメラニン生産能力があるため瞳孔が黒くなっています。

氷河期の時代には体が白いという特徴は有利な特性だったため、現在に至るまで基本的な遺伝子として脈々と受け継がれてきたと考えられています。

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白毛馬と芦毛馬の違いやメカニズムは?

白い見た目の競走馬には、白毛馬以外にも芦毛馬がいます。

芦毛の馬はグレー色のイメージがあるかもしれませんが、歳を取るとほぼ真っ白の毛色となります。

白馬

上の写真は白毛ではなく芦毛の馬です。パッと見ただけでは違いが分かりませんね。

白毛馬と芦毛馬は肌の色が違う

白毛馬と芦毛馬の大きな違いは、肌の色が違う点です。

白毛馬は肌がピンク色なのに対し、芦毛馬は肌が黒っぽい色をしています。

生まれた時の色が違う

また白毛馬と芦毛馬は生まれた時の色が違います。

白毛馬は生まれた時から白い見た目をしていますが、芦毛馬は生まれた時は茶色や黒色をしています。

芦毛の子馬

芦毛の子馬

芦毛馬は生まれた時は原毛色(鹿毛や黒毛)に見えることもありますが、年を重ねるごとにどんどん毛が白くなっていきます。

原因となる遺伝子も違う

白毛と芦毛では白色になる原因の遺伝子が違っており、毛が白色になるメカニズムも違っています

白毛馬が白くなる遺伝子とメカニズムは?

白毛馬の多くは「KIT」という遺伝子に変異があることが原因で白くなります。

KITに変異が生じると、メラニン細胞の数が少なくなり、体表面にほとんどメラニン細胞が存在しなくなるために白色の見た目になります。

芦毛馬が白くなる遺伝子とメカニズムは?

芦毛馬は芦毛遺伝子「STX17」という遺伝子の変異が原因で白くなります。

STX17に変異があると、白毛馬とは逆にメラニン細胞が増えすぎることによって結果的に白い見た目となります。

メラニン細胞が異常に増殖することで皮膚は黒くなるのですが、逆に毛根のメラニン細胞が早くに枯渇してしまいます。

そのため、年を取るごとに毛根でメラニンが作られなくなり、白くなっていきます。

白毛や芦毛の遺伝確率は?

白馬と仔馬

白毛と芦毛はどのような確率で遺伝するのでしょうか?

ソダシから白毛が遺伝する確率は50%

競走馬の毛色は遺伝法則(いわゆるメンデルの法則)で決まります。

一般的な白毛になる遺伝子と、芦毛になる遺伝子はともに優性遺伝子です。

そのため両親から受け継いだ2本の染色体のうち、どちらか1本でもこの遺伝子を持っていれば白い色になります。

例えば白毛になる遺伝子を大文字の「W」、それ以外の色になる遺伝子を小文字の「w」とすると、白毛になるのは2本とも白毛になる遺伝子を持った「WW」、または1本だけ持った「Ww」の馬です。

ソダシなど1本でもW遺伝子を持っていると白くなる

2本とも白毛遺伝子を持つ「WW」の馬は極めて稀で、ソダシや母親の「ブチコ」、祖母の「シラユキヒメ」はいずれも「Ww」の遺伝構成です。

もしソダシが子供を産むとすると、相手が白毛ではない「ww」の場合、ソダシから「W」が遺伝すれば「Ww」で白毛、「w」が遺伝すれば「ww」で別の毛色となるため、確率としては50%の確率で白毛の子供が生まれます

ソダシからは50%の確率で白毛が遺伝する

もし相手も「Ww」の白毛馬だった場合75%の確率で白毛の子供が生まれます。

白馬の遺伝確率

基本的にどちらかの親が白馬でないと子供は白馬にならない

白毛遺伝子と芦毛遺伝子は優性遺伝子であることから、親のどちらか片方が白い馬でなければ白い子供は産まれてきません

白色になる「W」の遺伝子を持っているのなら必ず白い毛になっているはずだからです。

例外的に突然変異で白毛馬が産まれる

ところが両親どちらも白色になる遺伝子を持っていなくても、突然変異によって急に白毛の子供が産まれることがあります。

ソダシの祖母である「シラユキヒメ」は突然変異によって産まれた白毛馬でした。

日本では1979年に突然変異で誕生した「ハクタイユー」が初めての白毛馬として認められています。

その後現在までに突然変異で生まれた白毛馬は6頭で、遺伝によって生まれた白毛馬は37頭です。

白毛馬が突然変異で産まれる確率は非常に低く、1万頭から2万頭に1頭ほどの確率だと言われています。

白毛の遺伝子の方が芦毛より優性

白毛の遺伝子は芦毛の遺伝子よりも優性なため、白毛の遺伝子と芦毛の遺伝子を両方持っていた場合は白毛馬になります。

優性の強い順番に並べると次のようなイメージです。

白毛 > 芦毛 > その他の毛色

白毛馬と芦毛馬の見分け方は?

芦毛馬は若い時は灰色に近い毛色ですが、年を重ねるごとに純白に近づいていきます。

例えば120億事件でお馴染みのゴールドシップは現役時代は灰色っぽい毛色でした。

しかし13歳になった2022年時点ではほぼ真っ白な毛色になっています。

それでは白毛馬と芦毛馬はどのように見分けたら良いのでしょうか?

体毛が薄い口周りで見分ける

芦毛馬は年をとっても肌の色は黒っぽいため、体毛が薄いところに違いが出てきます。

わかりやすいのは口周りです。

白毛馬は口周りが薄いピング色していますが、芦毛馬は口周りが黒っぽくなっています。

白毛馬と芦毛馬の見分け方

こうして見比べると違いがはっきりとわかります。

ソダシも口周りがピンク色になっていますね。

白毛や芦毛は弱い?

競争する白馬

これまで「白毛は体が弱い」と言われてきました。

芦毛の馬も近年では活躍が認められていますが、昔は「芦毛は走らない」とも言われていました。

しかしそれは芦毛馬や白毛馬の絶対数が少なかったからです。

競走馬の中で鹿毛が約50%、栗毛が約25%いるのに対し、芦毛は約7%、白毛は約0.04%と希少な存在です。

ソダシが阪神ジュベナイルフィリーズで白毛初のG1勝利、桜花賞で初の牝馬クラシック勝利を挙げ、「白毛は弱い」というジンクスは払拭されました。

実際に毛色による馬の強弱はないとされています。

代表的な白毛馬は?

代表的な白毛馬を紹介します。

現在活躍している主な白毛の馬たちは、突然変異で誕生した「シラユキヒメ」の子孫たちです。

シラユキヒメはデビューが遅かったこともあり9戦0勝という戦績でしたが、ディープインパクトと同じサンデーサイレンスの産駒であり、白毛馬としては中央競馬で初めて馬券に絡む3着に入っています。

シラユキヒメは生涯で10頭もの白毛馬を産み、「白毛の母」とも呼ばれています。

ユキチャン 〜白毛馬初の重賞勝利馬〜

ユキチャンシラユキヒメクロフネの間に生まれた子供です。

日本競馬史上、白毛馬として初めて重賞を勝利しました。

デビュー戦は大敗するも、2戦目・3戦目を勝利し白毛馬として初のオープン馬となります。

その後行われた関東オークス(G2)で2着と8馬身差を付けてレコードタイムで圧勝。白毛馬初の重賞勝利馬となります。

G1で勝利することは出来ませんでしたが、生涯戦績は17戦5勝。G2で1勝、G3で2勝という好成績を収めました。

ブチコ 〜ユキチャンの妹でソダシの母〜

ブチコシラユキヒメキングカメハメハの間に生まれた子供です。

ユキチャンの妹であり、ソダシの母親です。

ダルメシアンのような独特な斑点模様が印象的な白毛馬です。

白毛馬なのに鹿毛の駁(ぶち)が散らばっている理由は、所々でKIT遺伝子が偶然発現しているためと言われています。

あるレースではゲートをこじ開けて出血、あるレースではゲートをくぐった後にラチに激突して出血、またあるレースではゲートをくぐろうとして破壊するなどお茶目な事件を起こしています。

重賞での勝利はなく生涯戦績は16戦4勝。しかし勝利したレースはどれも圧勝しているため、ゲート難さえ無ければもっと活躍していたかもしれません。

ソダシ 〜白毛初のG1勝利馬〜

ソダシブチコクロフネの間に生まれた子供です。

白毛馬として初めて芝での重賞勝利G1初勝利牝馬クラシック初出走初勝利など、数多くの歴史的快挙を成し遂げました。

デビュー戦を快勝、G3を2連勝して無傷で臨んだ阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)で勝利し、白毛馬として初のG1勝利馬となりました。

その後桜花賞(G1)とヴィクトリアマイル(G1)を制し、G1通算3勝を挙げます。

2023年10月に電撃引退が発表され、生涯戦績は16戦7勝となりました。

繁殖牝馬として今後どのような産駒を輩出してくれるのかが非常に楽しみです。

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